仮想通貨投資の始め方・買い方

ボリンジャーバンドの見方 – 売り買いのサインを見極めよう!

ボリンジャーバンドの見方 – 売り買いのサインを見極めよう!

2017年は仮想通貨元年と呼ばれ、一般の投資家に仮想通貨の認知度が拡大し、流通量も急激に増大しました。
多くの投資家が市場に参入したことによって、仮想通貨はただ保有しているだけでは収益があげづらい環境になりました。

そこで株式や FX取引などで用いられているテクニカル分析を用いてみてはいかがでしょうか。
多くの投資商品と同様、仮想通貨の売買チャートを見ることによって判断している投資家が市場には多く存在します。

プロの投資家の考え方を知ることによって、どのタイミングで投資を行えば収益があがるのか見えてくるかもしれません。

ここでは数あるテクニカル分析のうち、逆張りの代表的な指標として名高いボリンジャーバンドについてご紹介します。

ボリンジャーバンドについて

ボリンジャーバンドは、米国人投資家ジョン・ボリンジャーが1980年代に考案したトレンド分析の手法です。
過去21日間(現在の主流は9日、20日、25日)のレートから統計的に計算を行い、移動平均線の上下に変動幅を示す線を引いたものです。
ビットコイン ボリンジャーバンド
チャート上にボリンジャーバンドを表示すると、7本の線が表示されます(初期設定では3本や5本の場合もあります)。
中央に表示されるのが、移動平均線です(ここでは20日間の移動平均線になっています)。
上の線から次のように並んでいます。

  • +3σ
  • +2σ
  • +1σ
  • 移動平均線
  • -1σ
  • -2σ
  • -3σ

統計的にこの標準偏差が表すバンド内で価格が変化するということを表しています。
具体的には、それぞれ以下の確率で落ち着く形になります。

  • ±1σ:68.3%
  • ±2σ:95.4%
  • ±3σ:99.7%

実際に上図でもほとんどの場合±2σの範囲に落ち着いており、±3σの範囲に行くことはほとんど無いことがわかります。

上記の性質からボリンジャーバンドは通常、逆張り(価格が上昇している時に売って、価格が下落している時に買う)を行うときの代表的な指標として利用されています。

バンド内で価格が変動する確率が示されているので、+2σに価格が近づいた時には売り、反対に-2σに価格が近づいた時には買いを入れれば収益をあげられると見ることができるためです。

ボリンジャーバンドを描く標準偏差とは?

そもそもボリンジャーバンドで語られている標準偏差とはどのように算出されるものなのでしょうか。
※特に覚える必要はないので参考程度に

N日間の標準偏差は以下の式で計算されます。


N日間の標準偏差


標準偏差が求められれば、そこからボリンジャーバンドは以下の式で表されます。

  • ±1σ:N日の移動平均±N日の標準偏差σ
  • ±2σ:N日の移動平均±N日の標準偏差σ×2
  • ±3σ:N日の移動平均±N日の標準偏差σ×3

続いて、この数式で計算されるボリンジャーバンドを見て投資判断する中で、特徴的な動きを御紹介します。

ボリンジャーバンドの基本的な3つの動き

スクイーズ

スクイーズ

スクイーズは、英語で「搾る」「収縮する」の意味になります。
チャート上では+2σの線が密着しており、横ばいのレンジ相場を形成しているときに見られます。

標準偏差が縮まっていることからわかるように、この時の相場での価格変化はとても小さいです。従って、スクイーズが見られる場面では投資判断を下すことをお勧めできません。

相場を静観し、次の投資タイミングを待つのが得策です。

エクスパンション

エクスパンション
スクイーズの場面から、価格が上下どちらかに大きく変動し、±2σの線が上下両方向に大きく広がる場面をエクスパンションとよびます。

上下方向への±2σの線の広がりが大きければ大きいほどを、この時形成されたトレンドが強いものであることを示しています。

したがって、 エクスパンションが見られた場面では、形成されたトレンドがどの程度強いのかを把握する必要があります。
価格が±2σの線にぴったりと張り付くような動きをした時には、素直にトレンドフォローをする必要があります。

一方で、上下動を繰り返しながら一方のトレンドを形成した場合には、±2σの線を到達した時に価格変動が反転することが想定されますので、逆張りの準備が必要です。

バンドウォーク

バンドウォーク
エクスパンションで形成されたトレンドが非常に強いもので、±2σの線にぴったりと張り付いて価格が変動する画面を、バンドウォークと呼びます。
バンドウォークが見られる場面では、素直に順張りしましょう。
強いトレンドが形成されているためです。

この時に強いのが、いずれこの強いトレンドも終結を迎えるので、どのあたりで終わるのか注視しておく必要があります。

バンドウォークの終わりを見極めるのに有効なのは、中央の移動平均線です。
価格が±2σの線から離れた時に、この後このままトレンドが継続するのか、それともトレンドが転換するのかは、価格が移動平均線と±2σの線のあいだにいるのか、移動平均線から±2σの線とは反対の方向に価格が推移するのかで判断することができます。

ボリンジャーバンドのトレンドフォローでの活用方法

逆張りの代表的な指標であるボリンジャーバンドを、順張りで利用することもできます。
以下にボリンジャーバンドを見た時の判断基準についてご紹介します。

  • +1σ よりもローソク足が上で推移している場合には、このトレンドは手堅いと判断
  • +1σをローソク足が下回ってきた時には、売り
  • +2σをローソク足が上に突き出した時には、売り
  • -2σをローソク足が下回った後、再び上昇し突き出した場合は、買い

ボリンジャーバンドの注意点:大きなトレンドを捉えるのは不得手

ボリンジャーバンドは過去の価格を元にその数値がはじき出されています。
これはすなわち過去のトレンドと異なる価格変化をした時には、大きく予想が外れてしますと言うことを意味しています。

例えば、上昇トレンドがこれまでにないほど継続した場合には、価格は常に+2σの売りのシグナルを発し続けてしまいます。

従ってボリンジャーバンドが最も有効に使える場面は、明確なトレンドを形成しているときよりも、保ち合いなどで価格が今後上下どちらに動いていくのか不透明な状況であると言えます。

仮想通貨のトレード目安として利用しましょう

ボリンジャーバンドは過去の統計的な価格の推移から、現在の価格がどちらに偏っているかを示し、平均的な価格推移が動く変化幅について一目でわかるようにしたテクニカル手法です。

一般的に使われている方法は±2σに価格が近づいた時には、反対の方向に今後値動きが進むと考え逆張りするというものです。

しかしながら、ボリンジャーバンドの開発者であるボリンジャー氏は、このような見方についてもあまり期待してはいけないと述べています。
テクニカル指標はあくまで判断を下すための材料であって、機械的に「Aの場合ならBする」のような投資判断を下すべきではなないということです。
あくまで目安であることを常に肝に銘じておく必要があります。

ボリンジャーバンドを始めとするテクニカル手法は、仮想通貨の取引でも十分に役立ちます。
是非この他にも様々なテクニカル手法について知識を深めて、確実に収益が上がる投資を目指してください。