現在の仮想通貨ブームの火付け役といっても過言ではないビットコインは、世界中で取引されている最もメジャーな仮想通貨です。
しかし、以外にビットコインについて知らないユーザーも多々存在しています。
今回は、ビットコインの特徴と将来性をまとめて紹介したいと思います。
目次
ビットコインとは
ビットコインとはブロックチェーン技術を応用した最も有名な仮想通貨です。
正体は謎のままですが、サトシ・ナカモト(日本人や日系人、実在しないなどの噂があります)によってその基礎技術が公開され、研究開発が進み、2009年にはビットコインの運用が開始されました。
ビットコインは円やドルといった既存の法定通貨に代わる新しい通貨として期待されており、決済や送金といった基本的な機能を持っています。
通貨としての仕組みは革新的で、政府や銀行といった中央で管理する存在を排除して、システムやアルゴリズムのみで公平性を保っています。
ビットコインの特徴
ビットコインの特徴は以下の通りです。
ビットコインの発行枚数と発行枚数上限
イーサリアムの発行枚数と発行枚数上限は次の通りです。
発行枚数 | 発行枚数上限 |
16,968万枚(2018年4月時点) | 2,100万枚 |
PoW
PoWはプルーフ・オブ・ワークというビットコインの送金を第三者によって承認するアルゴリズム(コンセンサスアルゴリズム)です。
第三者はマイナーと呼ばれ、承認する行為はマイニングと呼ばれます。
マイナーは不特定多数存在し、公開されているビットコインの取引をブロックと呼ばれる台帳に書き込んで記録することによって報酬を得ることができます。
PoWを採用したビットコインでは、このマイニング作業はマイナーが提供するコンピューターリソースによる計算処理で行われます。
実体のない仮想通貨の1番の懸念点はハッキングや不正取引ですが、この第三者による承認作業、すなわちマイナーによるマイニングが通貨としての公平性を保つ肝となっているのです。
送金の速さ
銀行や送金業者といった既存の金融機関で送金を行うと、場合によっては1営業日以上、海外送金だとそれ以上の時間が必要となることがあります。
ビットコインの送金は、365日24時間受付可能で、理論的に送金にかかる時間は10分とされています。
インターネットにつながる環境があれば、どのような状況でも送金ができるので利便性も高いです。
手数料が安い
通常、日本円を国内の口座に送ろうとすると送金手数料が発生します。
この手数料は銀行の利益になり、銀行システムの維持や投資に活用されたりします。
さらに、海外送金などになると最低でも数千円単位で割高な手数料がかかる場合もあります。
しかし、管理者が存在せず、銀行のような機関も必要としないビットコインにはこういった割高な手数料は発生しません。
その代わりにシステム維持の役割を担うマイナーが存在し、報酬という形で少額のビットコインを支払わなければいけません。
その額は銀行と比べる比較的安く、ビットコインの技術的にもブロックサイズの拡大など、効率的な送金を目指しており、今後も安い送金手数料の維持が見込まれます。
海外での両替の手間が省ける
ビットコインはボーダーレスな決済通貨としての役割も期待されています。
仮想通貨先進国と言われている中国やヨーロッパ、アメリカなどでは小売店や空港などで積極的に決済通貨としてビットコインが採用されています。
通常、海外旅行などに行くと日本円を現地の通貨に両替所や銀行の窓口などで両替し、両替手数料を支払わなければいけません。
しかし、世界共通の価値を持つビットコインであればそういった手間やコストは一切かかりません。
ウォレットサービスや取引所が公開しているモバイルアプリケーションなどがあれば、ビットコイン決済で直接支払いを済ませることができるのです。
金融危機のリスクヘッジ
ドル、円、ユーロなどといった法定通貨はその国や地域の経済や金融政策などと深い関わりを持っています。
つまり、円であれば日本の景気、貿易収支、日本銀行の通貨発行量などといった要因に資産価値が大きく左右されます。
日本が安定しているときは問題ありませんが、金融危機などの状況に陥ってしまうと資産を全て円ベースで保有している場合、大きなリスクとなります。
円以外の法定通貨も同様です。
一方、仮想通貨であるビットコインはこういった国や地域といった法定通貨が抱える問題との繋がりは薄く、どちらかといえばそのブロックチェーンのテクノロジーや用途の拡大、利便性の向上などといった事柄で価値が変動します。
このことから、ビットコインに投資をしておくと資産のリスクヘッジになると言われています。
ビットコインの懸念点
ビットコインは利便性が高い仮想通貨だということがわかりました。
ですが、決して完璧な通貨というわけではありません。
以下で、ビットコインの懸念点を紹介します。
価格変動が激しい
ビットコインは2017年末から2018年始めのピーク時には、1通貨あたり200万円ほどの値をつけたことがあります。
それが2018年3月現在は、100万円前後まで下がってきています。
この3ヶ月足らずの間に約半分まで値を落とすという乱下降を見せています。
1ビットコインあたりの価値が高い方がいいというわけではありませんが、この値動きの激しさは法定通貨の代替としての普及を目指すビットコインとしてはあまりいいことではありません。
円を発行する日本銀行のミッションとして、物価の安定とあるように、通貨の価値が安定しているということは非常に重要なことなのです。
その点、ビットコインは安心して保有して、消費できる通貨とはまだまだ言えない状況なのです。
国内で決済可能な場所がまだまだ少ない
前述したように仮想通貨先進国では積極的に決済通貨として採用されています。
ですが、日本国内ではまだまだ決済に使えるサービスや小売店は少ないと言えます。
2017年にはビックカメラグループがビットコイン決済を導入したことで話題となりましたが、その他の大手小売りなどは対応に消極的です。
小売店側も価格の変化が激しいビットコインを保有することにリスクがある、決済システムを新しく導入する必要がある、ビットコインの取引時間の短縮が必要など様々な難しさを抱えています。
スケーラビリティ問題
スケーラビリティとは、仮想通貨の利用者や取引量が増えることが主な原因で発生する問題で、現在ビットコインの送金までの理論値は10分ですが、送金遅延や送金詰まりを引き起こします。ビットコインには、マイニングに参加するマイナーの数に応じて、マイニングの難易度を調整するアルゴリズムが実装されているものの、急な需要の増減への対応が難しくなっています。
ビットコインの将来性
ビットコインは最も取引されている仮想通貨としての地位を揺るがないものにしていますが、今後の将来性はどうなのでしょうか。
ビットコインはスケーラビリティ問題の解決策として、ライトニングネットワークの開発に着手しています。
ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンとは異なるチャネルでやり取りを行うので、ブロックチェーン上の負荷を軽減することができると言われています。
ライトニングネットワークが実装されると、取引手数料がさらに提言され、少額の支払い、すなわちマイクロペイメントにも対応できるようになります。
その他にも、6ヶ月毎のアップグレードが予定されており、セキュリティのさらなる強化や資金誤送信の防止、取引承認のスピード向上など、決済システムとして機能の改善を図っています。
今後、仮想通貨市場がどのような展開を見せるかはまだわかりませんが、ビットコインがその鍵を握っていることは間違いないでしょう。
投資を検討しているのであれば、市場全体の動きと合わせてビットコインの動向に注目する必要があります。
国内でビットコインが購入・取引できる主な取引所
ビットコインの価格遷移