中国や欧米圏は、仮想通貨への取り組みをいち早く行い、今までに数多くの仮想通貨を開発し世に送り出してきました。
日本でも投機や投資対象として仮想通貨はメジャーな存在となりましたが、新しい技術の開発に関して言えば、他国に遅れをとっている印象です。
そんな中、モナコイン(Monacoin)は日本発の仮想通貨として注目されました。
とくに日本の投資家の間では高い人気を誇っています。
今回は、そんな日本初の仮想通貨であるモナコインについて特徴や将来性、直近の動きなどをまとめて紹介したいと思います。
目次
モナコイン(モナーコイン)とは
モナコインは、2chpoolと呼ばれる採掘プールを運営していた、わたなべ氏が開発した日本発の仮想通貨です。
その開発された経緯から、2chや2chユーザーとの関わりが深く、2chの掲示板から生まれた仮想通貨になります。
モナコイン(モナーコイン)という名前自体もモナコインの名前が2chのキャラクター、モナーに由来しています。
以下のようにモナコインのロゴの真ん中にもモナーが描かれています。
モナコインは、大手取引所を中心に海外の取引所でも購入することもできますが、日本発の仮想通貨ということだけあって、日本国内の取引所でも取り扱いが多くあります。
取引所別の取引量で見ると、日本の取引所ではビットバンクが最大で全体の約40%を占めており、時点でZaifなどがシェアを獲得しています。
取引通貨も75%以上が日本円となっており、日本人ユーザーにとっても投資するには人気の仮想通貨だということがわかります。
ライトコインがベース
モナコインの開発は、ライトコインの技術をベースにしています。
モナコインの歴史は古く、開発自体は2013年にベータ版が完成しており、翌年2014年には正式版がリリースされています。
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モナコインの特徴
国内外で取引されているモナコインですが、他の仮想通貨と比べてどのような特徴があるのでしょうか。
ひとつずつ以下で紹介していきたいと思います。
Segwitの導入
多くの仮想通貨で利用者や頻度が上がるにつれて、送金詰まりや送金遅延などを引き起こす、いわゆるスケーラビリティ問題が発生しています。
様々な対処法が検討されている中、モナコインはSegwitを導入しスケーラビリティ問題の解消に動きました。
Segwitとは、ひとつのブロックに格納できるデータ容量は限られているのですが、格納するデータを圧縮することでブロックチェーンがより多くの取引データを処理できるようにする技術です。
今ではビットコインなどの仮想通貨にも実装されていますが、モナコインは世界初のSegwitを導入した仮想通貨として知られています。
当時、2017年にはスケーラビリティの解決策の実装ということで大きな注目を集めました。
PoW
モナコインの取引承認システムは、PoWを採用しています。
取引の透明性が高く、中央管理を必要としない仮想通貨らしいシステムです。
コンセンサスアルゴリズムには、ScryptというASIC耐性のあるものを実装していましたが、現在はLyr2REv2への仕様変更を行なっています。
なお、ASICとは、特定の用途を持った集積回路のことをさし、PoWを採用するマイニングで大きな力を発揮します。
一方、PoWは不特定多数のネットワーク参加者の分散されたコンピューティングパワーを公平性の肝としているので、こういったASICなどによるリソースの寡占化を嫌います。
新しく採用されたLyr2REv2もまた反ASICの理念の元開発されたアルゴリズムで、ASIC耐性があるとされています。
送金速度がビットコインより速い
モナコインのブロック生成時間は90秒と、ビットコインの10分と比べると段違いに早いことがわかります。
ブロックが生成される度に送金データが処理されるので、実質送金速度も同等のスピード感で行われます。
速い送金速度は、決済サービスなどでの普及に適していると言われており、モナコインの特質すべき点となっています。
国内での認知、コミュニティ
モナコインは、日本発の仮想通貨ということで日本国内での認知度は抜群です。
海外の大手取引所に比べると、あまりマイナーな仮想通貨を取り扱わない国内の取引所でも多く取り扱いがあり、日本マーケットで多くの流通量があります。
また、国内での知名度を利用したブランディングやマーケティング、国内企業とのパートナーシップを比較的有利に進められるので、その点も大きな強みとなっています。
仮想通貨は、開発やマーケティング、さらには利用者の拡大などの側面でコミュニティの存在が非常に重要になっています。
とくにオープンソースのプロジェクト推進やユーザーから問題点やアイディアの収集、SNS上でのユーザー発信のマーケティングなどで大きな力となります。
Askmona
モナコインは、大手掲示板サイトとして知られる2ちゃんねるユーザーとの深いつながりがあります。
たとえば、モナコインのコミュニティサイトとしてAskmona(アスクモナ)という2ちゃんねるの掲示板形式のウェブサイトが存在します。
Askmonaでは、ユーザーが仮想通貨やモナコインについて議論できるだけではなく、様々な話題がありユーザーたちの活発な活動が見受けられます。
Askmona上では、投げ銭というシステムが取り入れられており、コミュニティに貢献した人物などに寄付する仕組みになっています。
それ以上に、Askmonaなどのコミュニティサイトには、報酬よりもモナコインを広めたいと考えているユーザーが多く集っています。
モナコインの将来性
ビットコインや他の通貨と比べても優れた特性とコミュニティを抱えているモナコインですが、仮想通貨としての将来性はどうなのでしょうか。
モナコインの需要を見てみると、日本市場での取引が主となっており、今後のモナコインの成功は日本市場での動きが重要になってくると考えられます。
今現在モナコインは、活発な開発やコミュティサイトなどで盛り上がりを見せており、今後のポテンシャルをうかがわせるようなしっかりとした土台を有している印象です。
また、モナコインの海外進出に目を向けると、ひととおり大手取引所などでも上場をはたしているので、とっかかりだけはある状態ですが、今後は積極的なマーケティング活動が期待されるところです。
モナコインは、機能的にも優秀な仮想通貨なので、継続的な機能アップデートと積極的なマーケティング活動での普及拡大が今後のカギとなります。
直近の動き
活発な動きを見せているモナコインですが、直近の動きを紹介します。
アトミックスワップの成功
アトミックスワップとは、信頼できる第三者を立てることなく、公平な取引を実現するためのブロックチェーンプラットフォーム上で利用されるシステムです。
仮想通貨は、個人間の資金送金を低コストで瞬時に実行できるので、既存の銀行や送金業者が行うサービスの代替としての働きを期待されていました。
しかし、保証のない個人間取引などでの一方の資金の持ち逃げのリスクが存在しました。
2018年の1月にモナコインはアトミックスワップに対応しシステムが公平を担保できるようになり、モナコインでは安心して個人間の取引ができるようになりました。